ローリングスタートにおいては、各車がある決まった順序に一列となって、先導車に従ってコースを走行する。レースのスタート時は通常、予選結果によって決定されたグリッド順位に従う。マシントラブルなどによって減速した車両を追い越す場合のように、特別に理由がない限り、この隊列の中で追い越しをすることはできない。
ただし、軽微なミスなどによって後ろに下がった場合(例えばコーナーを曲がりきれずにコースアウトし、数台に追い越されたが、すぐにコースに復帰した)、もとの位置に戻るための追い越しが認められる場合もある。
やがて先導車は(通常はピットレーンから)コースの外に出て、以後、隊列のペースは先頭(普通はポールポジションの車両)が決定する。この速度には上限と下限が定められていることが多い。
先頭車両がスタートラインに近づくまで、スタートを示すシグナルには赤が点灯している。隊列が整っていると判断された場合、赤灯の消灯ないし青灯への切り替えによってスタートが宣言される。各車両はスタートラインを超えるまではやはり、(原則として)前の車を追い越すことが禁止されている。
隊列に大きな乱れなどがあった場合、スタートラインの赤灯は点灯したままで、さらにもう一周、先頭車両の先導によってコースを走行し、スタートをやり直すことになる(しばしば、エクストララップなどと呼ばれる)。以後、隊列が整っていると認められるまでこれを繰り返す。その間、ずっと追い越しは禁止であり、通常は先頭車両の速度制限が設定され、隊列のまま走り続けることになるが、この周も周回数として数えられる(エクストラが1周あれば、実際のレース周回数は1周減算される計算になる)。
(Wikipediaより)